ダイエットをしようと思った場合「食事制限」を実施するケースが多いかと思います。
しかし、それだけでは代謝が下がる一方でいつか行き詰まることになります。
そのような時は「腸内環境の違いも視野に入れるべきなのではないか?」という考えが近年論じられています。
⬛ 腸内細菌は体型に影響する?
同じように食べているのに、太りやすい人と太りにくい人がいるのはなぜだろう?
その背景の一つとして、腸内細菌の構成の違いが関与している可能性が指摘されています。
実際に、食生活や生活環境の異なる集団を比較した研究では、腸内細菌の種類やバランスに明確な差が見られることが報告されています。2010年の研究では、伝統的な食生活を送る地域の子どもたちと、欧米型の食生活を送る子どもたちの腸内細菌を比較し、食習慣が腸内環境に大きく影響することが示されました。
その結果、前者のグループでは、エネルギー代謝に有利とされるヤセ菌が多く、逆に体脂肪の蓄積に関与しやすい菌が相対的に少ない傾向が確認されています。(※1)
⬛ 腸内の二大勢力「バクテロイデス」と「フィルミクテス」
私たちの腸内には、100兆個以上もの菌が住んでいます。
そのうちの90%は次の2つのグループに分けられ、腸内細菌界での二大勢力とも言い表せます。
・バクテロイデス門(ヤセ菌): 炎症を抑え、太りにくい体質を作る味方。
・フィルミクテス門(デブ菌): 脂肪を蓄えやすくし、体に炎症を起こしやすい。
伝統的な食生活を送る地域の子どもたちの腸内は、この「ヤセ菌」が圧倒的に優位でした。つまり彼らは、エネルギー代謝に有利な傾向を持っているといえます。一方、現代の食習慣(欧米食)に慣れた私たちは、残念ながら「デブ菌」が増えやすい環境にあります。
⬛ 太るのを食い止める「短鎖脂肪酸」
ここで鍵となるのが、ヤセ菌が作り出す「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」です。
これには、私たちの体内で「代謝を支える因子」として素晴らしい働きがあります。
短鎖脂肪酸の効果
・脂肪の蓄積をブロック: 脂肪細胞に「これ以上エネルギーを取り込まなくていいよ!」と命令を出します。
・燃焼をサポート: 代謝を上げ、エネルギーを使いやすい体にしてくれます。
研究では、伝統的な食生活を送る地域の子どもたちは、この「短鎖脂肪酸」が欧米型の食生活を送る子どもたちの「約3倍」も多かったのです。
⬛ 「ヤセ菌」を育てる最強の食事術
では、どうすれば私たちの腸内にも「ヤセ菌」を増やせるのでしょうか?
答えはシンプルで、「ヤセ菌の好物を食べる」ことです。
その好物こそが「食物繊維」です。
特に「イヌリン」という食物繊維によって増えたビフィズス菌がプロピオン酸や酪酸などの短鎖脂肪酸の産生能を高めることも報告されています。(※2)イヌリンは、玉ねぎ、ゴボウ、ニンニクなどの食材に多く含まれます。
現代の生活環境において、特定の地域や時代の食生活をそのまま再現することは現実的ではありません。そのため、特定の食文化の「良い点」を参考にしつつ、現代人の生活様式や栄養状態に合う形で取り入れていく視点が重要です。
⬛︎ まとめ
ダイエットが停滞する原因は、食べ過ぎではなく、腸内環境にあることがあります。
・ヤセ菌が多い → 脂肪がたまりにくい
・デブ菌が多い → 同じ食事でも太りやすい
この差を生むのが、短鎖脂肪酸を作れる腸かどうか。
食べないダイエットや断食は、一時的に体重が減っても腸内環境を悪化させ、結果的に痩せにくくなる可能性もあります。
これからは「食べない」より「腸を整える」。
最近結果が出ない人ほど、腸内環境を見直してみてください。
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⬛︎ 参考文献
(※1)C. De Filippo, et al., “Impact of Diet in Shaping Gut Microbiota Revealed by a Comparative Study in Children from Europe and Rural Africa,” Proc Natl Acad Sci USA 107, no. 33 (August 17, 2010): 14691-6. doi: 10.1073/pnas.1005963107.
(※2)de Wiele TV, Boon N, Possemiers S, Jacobs H, Verstraete W. Prebiotic effects of chicory inulin in the simulator of the human intestinal microbial ecosystem. FEMS Microbiol Ecol. 2004 Dec 27;51(1):143-53. doi: 10.1016/j.femsec.2004.07.014. PMID: 16329863.
【監修】 Dr.トレーニング CEO 山口元紀
【活動内容】
世界3大ミスコン公式トレーナー歴任
Dr.ストレッチ 技術監修
海外研修(アメリカやスペインのプロスポーツチーム帯同)
【職歴(インターン含む)】
Boston Red Sox
Tampa Bay Rays
KC Royals
【学歴】
日本大学文理学部体育学科(学士号)
Texas Tech University Health Sciences Center Athletic Training(修士号)
【資格】
NATA-ATC(全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
PRI Myokinematic Restoration
PRI Plelvic Restoration
IASTM(Instrument Assisted Soft Tissue Mobilization)
NKT(Neuro Kinetic Therapy)
SFMA(Selective Functional Movement Assessment)
BTS(Barefoot Training Specialist)
SMBA (Spinal Movement and Breathing Assessment)
保健体育科教員免許
山口元紀ブログ▼
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